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Lounge ”四季”を散歩して・・・

「気ままな徒然記」気になること(モノ)を綴るメモblog


by fujimetal
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「ドル」という装置

■ 米国経済の陰りとベトナム戦争 ■

アメリカのインフレ率は1960年事に低下しています。この時ベトナム戦争が発生します。

1940年・・・デフレ傾向・・・・1941-45 第二次世界大戦
1950年・・・デフレ傾向・・・・1950-53 朝鮮戦争
1960年・・・デフレ傾向・・・・1960-75 ベトナム戦争

どうもこの時期アメリカはデフレ傾向が発生する度に戦争をしている様に見えます。戦争による軍需産業の活況は、アメリカ経済を回復させます。要は、アメリカにおける戦争は公共事業に等しいのです。

一方で公共事業は国債の大量発行とセットになっています。アメリカは10年毎に10年債の大量償還時期を迎える事になります。

■ ベトナム戦争の国債償還をドルの切り下げで乗り切る ■

ベトナム戦争で発行した10年債が順次償還を迎える1970年以降、アメリカは米国債の償還コストを削減する方法を取ります。

それがニクソンショックという強引な通貨の切り下げです。これによりアメリカ国外が保有する米国債の価値は実質的に目減りします。

同時にアメリカ国内は輸入コストが増大するのでインフレが進行します。

■ ドルを支えた中東戦争 ■

ニクソンショックによってドルは「紙切れ」になりますが、しかし、ドルは基軸通貨の座を滑り落ちる事はありませんでした。

これに貢献したのが中東戦争に端を発する「石油ショック」です。

当時石油はドルで取引されていましたが、1973年の第一次石油ショックで2ドルか
ら20ドルと、原油価格は10倍に跳ね上がっています。さらに、1979年の第二次石油ショックで20ドルから50ドルに跳ね上がりました。

これにより旺盛なドル需要が生まれ、ドルは基軸通貨の座を守る事になります。ドルは金』兌換紙幣から、石油兌換紙幣になったのです。

これを「修正ブレトンウッズ体制」と言います。

中東戦争が軍前発生したのか、それとも石油価格の操作の為に発生したのかは定かでは有りませんが、結果を重視する陰謀論的には、イスラエルの存在は・・・。

■ スタグフレーションの発生とレーガノミクス ■

原油価格の高騰は、世界中でインフレを進行させました。一方で原油価格の上昇は生産コストを高めるので経済は停滞します。

この時期、日本は高度成長期だったので、オイルショックでも経済は拡大していましたが、アメリカやヨーロッパでは景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションに陥ります。

アメリカは不況を克服する為に財政を拡大します。ケインズ政策です。

しかし、ここでジレンマが発生します。不景気対策として金利を抑制すると、原油高によるインフレが加速します。金利を上げてインフレ率を抑えようとすると国債発行コストが増大します。

1980年にロナルド・レーガンが大統領に就任します。

レーガン大統領就任の時期に最も重要な経済の課題は、インフレの抑制でした。ベトナム戦争からオイルショックと続く不景気で米国政府は財政を拡大し続けましたが、これは同時にインフレを拡大する事になります。この時期、アメリカのインフレ率は12%にも達し、米国債金利は3カ月物で20.2%に達していました。

レーガンは最初歳出削減に手を付けますが、不景気下での歳出削減でむしろ米国の不景気は深刻化します。

そこで彼が取った政策は・・・

1) 福祉支出の削減(小さな政府)
2) 軍事費の拡大(強いアメリカ政策)
3) ドル高政策(利上げによる米国投資の促進)
4) 富裕層の減税(投資ブームの育成)

■ ニクソンショック以降の弱いドル政策からの転換 ■

ニクソンショック以降、ドルは減価し続け、同時にインフレが進行します。この過程で戦後発行されたアメリカ国債は、安いコストで償還された事になります。

一方で弱いドルの弊害が高インフレとして米国経済を苦しめていました。

そこで、レーガンは金利を引き上げてインフレ率を抑制すると同時に、高金利によって海外のマネーを米国投資に向かわせたのです。当然、米国債金利も高くなり、米国債の商品としての魅力も高まります。

一方で、富裕層を減税する事で、米国内の投資ブームを煽ります。資産市場に資金が流入して米国では商業不動産を中心にバブルが発生します。

■ バブル経済の始まりと、ドル高・ドル安 ■

米国経済は不死鳥の様に復活しますが、その原動力は「バブル」です。

80年代後半は商業不動産バブルが発生します。
これが弾けると、今度は90年代初頭にITバブルが発生します。
ITバブルの後は、住宅不動産バブルが発生し、リーマンショックに繋がります。

この様にレーガン政権以降、アメリカ経済はバブルとその崩壊を繰り返す様になります。

バブル崩壊後はドル安になり、アメリカへの投資は割安感が生まれます。そこで資金がアメリカに集まり出すとドルが値上がりを始め、さらに世界の資金を引き付けて次なるバブルが成長します。

しかし、このバブルは2年程度で崩壊し、世界のマネーは米国内で棄損して消えてしまいます。ドルも下落するので、投資資金はアメリカから逃避しますが、やがては底を打ち、米経済の回復と共に、ドルが上昇し始め、世界の投資が再びアメリカに集まります。

こうして、レーガノミクス以降、アメリカ経済は周期的にバブルとその崩壊を繰り返し、ドルはその度に上がったり、下がったりする用になります。


戦後、ブレトンウッズ協定によってドル基軸体制が発足して70年余り。その短い間にも通貨の概念やそれを支えるシステムはどんどん変化しています。

実は通貨という物自体、世界の人々の共同幻想であり、フィクションなのかも知れません・・・。

出典:人力でGO→http://green.ap.teacup.com/pekepon/



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by fujiyanh | 2015-01-29 22:08 | 時事メモ